先週末は仕事で東京へ出張したついでに、乗鞍岳に行ってきました。(どちらが「ついで」だか~(^_^;)ですが) といっても登山と呼べるようなものではなく、シャトルバスで頂上直下の畳平(2702m)まで行き、そこから最も近いピークである「魔王岳」(2780m)に登ったほか、周囲をウロウロしただけです。実質登高78mの超ライトミニ登山。でも、魔王岳の頂上から思う存分ゆっくり北アルプスのパノラマを楽しみ、この高度に滞在できただけで満足しました。以下はその際に撮影したものです。

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 魔王岳から北側の展望。乗鞍岳は北アルプスの最南端にあり、その絶好の展望台となっています。手前の道路は乗鞍スカイラインで、岐阜県の平湯温泉や朴の木平からシャトルバスが畳平まで通っています。ついでですが、長野県側からも乗鞍高原から畳平までシャトルバスで登ることができます。

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 まず、北アルプスの展望を西側から。中央に目立つピラミダルなピークは笠ヶ岳で、その左肩に頭を出しているのが黒部五郎岳。さらに左の割に鮮明なピークは笠ヶ岳の尾根上の無名峰です。 

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 さらに東に目をやって左側のなだらかなピークが双六岳。右側の鋭いピークが言わずと知れた槍ヶ岳で、その槍ヶ岳から双六岳に伸びる尾根が西鎌尾根。その西鎌尾根の向こうにかすかに見えるのが立山連峰で、槍ヶ岳の更に右側に見えるのが南岳です。それから手前中央、雲がかかった比較的低いずんぐりした山塊は焼岳。頂上からかすかに煙が上がっているのが確認できるでしょうか。

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 次いで槍ヶ岳が後景に退いた写真で、中央のどっしりした山が奥穂高岳、右側のピークが前穂高岳、この二つを繋いでいるのが吊尾根です。さらに右側の鈍重な印象のピークが大天井岳、そしてその右が山頂までは入っていませんが常念岳です。写真ではちょっとわかりにくいのですが、中央の奥穂高岳から手前へ延びる尾根上、畳岩、ロバの耳、ジャンダルムなどの岩峰が連なり、写真で少し陰影が濃い西穂高岳となります。

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 目を西に移すと、遠く八ヶ岳や南アルプスが望めます。写真は超望遠で撮ったもので登山者の向こうに霞んで見えるピラミダルなピークは甲斐駒ケ岳。その右側の凸凹した尾根状が鋸岳、その裾から右上がりになった尾根の先から北岳以南の南アルプスの山々が塩見岳まで続いて見えていました。

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 畳平の周辺をブラブラ歩いていると日が差してきました。ふと見上げると、富士見岳の上空に真っ青な秋の空が広がっていました。

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 この時期、さすがに花はもうほとんどありませんが、それでもコマクサの名残、オンタデ、アキノキリンソウ、イワギキョウ、トウヤクリンドウなどを確認することができました。花のシーズンにもう一度来てみたいです。写真はイワギキョウ。

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 こちらはトウヤクリンドウ。ハイマツの影に多く咲いていました。いつもこの花を見ると、夏山シーズンのフィナーレを感じさせられます。次は紅葉に期待ですね。


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2014.09.15 富士下山
 この週末は富士山に行ってきました。といっても「富士登山」ではなくて、いわば富士「下山」。富士山の中腹を横断する信仰の道、お中道(ちゅうどう)と呼ばれる山道の一部を歩き、翌日、青木ケ原樹海を貫く道をひたすら下り、精進湖口まで達する計画です。標高は高いですが、登りさえなければ肺に病気を抱えた自分でも可能だろうと考えて8月上旬に企画したのですけれど、台風に邪魔されて一ヶ月後の今週末にようやく実現した山行でした。

 9月12日夜8時に集合して和歌山を出発し、精進湖畔の山梨県営駐車場に着いたのが2時前。早速テントを張って仮眠しようとしたのですが、ちょうどその頃から合宿に来ていた男女の学生十数人がゾロゾロと駐車場の敷地に出てきて、はしゃいで騒ぐものだから、とてもじゃないが眠れたものではない。我々はともかく、周囲の旅館もすぐ下のキャンプ場の人たちも迷惑しているだろうに、誰も注意しないのでここは自分が一喝してやろうとテントから出かけましたが、同行者が制止するので、結局、警察を呼んで注意してもらい、旅館に帰らせました。しかし、真夜中の旅館街で運動会まがいに騒ぐとは、最近の大学生がこれほと幼いのに呆れ果てました。大学名は伏せますが、東京の某有名大学の管弦楽団でした。

 さて、そんな騒ぎの翌13日朝は、まず車を下山口に回して駐車し、そこから100mほど離れた赤池バス停から8時41分のバスで河口湖駅へ。さらに河口湖駅で9時20分発のバスに乗り継いで10時過ぎに五合目に到着、10時45分から大沢崩れを目指してお中道を歩き始めました。

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 お中道は、富士山に三度登頂しなければ歩くことを許されなかったといわれる信仰の道で、元は富士山の中腹、標高2300m~2800mの間をぐるっと一周していました。しかし、大沢崩れが広がって今や横断不能となったうえ、他にも廃道となった部分があり、今は一部しか歩くことはできません。五合目からの歩き始めはこんな感じです。

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 お中道が巡っているのは、だいたいが森林限界ギリギリの高度です。といった次第で写真のように、お中道の片側には森林限界を超えて樹木がない荒涼たる世界が、そしてもう片側には過酷な環境に耐えて生き残った樹木が生育する世界が広がっています。そして樹木がない側を彼岸つまりあの世、樹木のある側を此岸つまりこの世に見立て、その境をきわどく縫って歩むのがお中道参りの意義なのでしょう。このあたりは、熊野本宮を死後の世界に見立て、そこに至って退出することで死からの復活再生を擬似体験させた熊野参詣に通じるところがあるようにも思えます。

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 お中道の森林限界に生える樹木は、カラマツ、コメツガ、シラビソ、それにダケカンバなどです。火山礫の荒地のうえ、風雪が強い厳しい環境で、樹木は大きく伸びることはできず、だいたいは地を這うような樹形をしていますが、そのなかでも光を求めて懸命に上に伸びようとしたカラマツなどは冬季、積雪から突き出した部分のうち卓越した季節風の攻撃を受ける側の枝が枯れ落ち、そろってこのような樹形になります。これを旗型(きけい)樹形といいます。

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 風雪に耐えて地這い型となったダケカンバ。押さえつけられ、痛めつけられて、捻じくれながらも、それでも四方に枝を伸ばし頑強に根を張って生きようとする凄まじい生命力には感動を覚えます。

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 カラマツもこのとおり。お中道途中の御庭や少し下がった奥庭には、このようにまるで盆栽のような姿をしたカラマツがたくさん見られます。山麓でスッキリのびのびと育ったカラマツからは想像もできない姿です。

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 カラマツの背が低いおかげで、日頃はあまり見る機会がないカラマツの枝についた実をしっかり観察することができました。まるでバラのように美しい造形です。

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 お中道を歩いている時に見つけたシャクジョウソウです。後で出てくるギンリョウソウと同じ仲間で、腐生植物といって他の植物の根に共生する担子菌(松茸やシメジなどの仲間)の菌糸に自分の根を絡ませ、そこから栄養を得て生きています。一本の茎に複数の花が下向きにつくことから、この形を僧侶や修験者が持つ鉄の輪のついた杖、つまり錫杖に例えてシャクジョウソウの名がつきました。

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 さて、目的地の大沢崩れには13時45分に到着。肺に負荷を与えないよう、樹木を観察しながらゆっくりゆっくり歩いたので、3時間もかかってしまいました。 しかし、大沢崩れにはガスが掛かって全貌が見えず、この写真が精一杯。ともあれ、ここから引き返して、この日泊めていただく奥庭荘到着は16時20分でした。

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 もともと高山植物に乏しい富士山のことですし、さらにこの季節とあって、花はアキノキリンソウ、キオン、オンタデ、それにわずかにヤナギランを見かけた程度でしたが、写真のようにコケモモの実は鈴なりに熟していて、なんども酸っぱい実を口にしながら歩きました。到着した奥庭荘では、その実を絞ったジュースをサービスしてくださいました。ジュースにするには、この小さな実をどれほど集めなくてはならないのでしょうか。

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 翌朝は5時前に起きて奥庭の展望台へ。やがて旗型樹形の向こうから御来光が昇ってきました。

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 やがて、雲ひとつない濃紺の空に、脚光を浴びつつ富士山が姿を明らかにしてきました。その姿は文句なしに美しい。富士はやはり「登る山」より「見る山」ですね。

 富士山が日光をしっかり浴びてモルゲンロートに輝き、デテールが鮮明になるのを待って撮影しようと粘ったのですが、いざ太陽が昇ってみると、山の北側にある奥庭からはモロ逆光となって、とても撮影の対象にはなりませんでした。

 さて、火山としての富士山は、人間の年齢に例えれば今が20歳くらいだそうです。「娘十八番茶も出花」などといいますけれど、いまが一番美しい時期なのですね。でも、若いだけに変化も早い。これから先、昨日訪ねた大沢崩れはやがて山頂に達してその一角を削り落とすでしょう。また、多くの火山学者が噴火が近いと警告もしています。いずれにせよ、「花の命は短い」ようですので、いま一番美しい姿に接することのできる幸運に感謝したいものです。、

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 7時45分に奥庭荘を出発。下り始めるとすぐ、それこそ箱庭のように美しい場所を通過します。そこに、ダケカンバが蒼空を背にしてすっくと立っていました。

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 さらに下ると、荒々しい風景は影を潜め、樹木も背を伸ばして森林らしくなってきます。林床は木漏れ日に一面のコケが輝いて美しい。

 精進湖口へ下るコースでは、森林限界に近い奥庭の標高2250mから930mの登山口まで、日本の森林の垂直分布をしっかり確認できます。まず森林限界直下ではシラビソやコメツガ、ダケカンバからなる亜高山帯植生が、次いでブナやミズナラ、カエデ類を中心とする山地帯植生、さらにモミとツガを主役とする中間温帯植生、そしてアカマツやシデ類など多くの樹種からなる里山の森へ。多くのきのこに歓声を上げつつ、これを観察しながらゆっくり下ってゆきました。

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 こちらはギンリョウソウ。先に書いたシャクジョウソウの仲間の腐生植物です。目玉がついているように見えるのは果実で、花のうちは下を向いていたものが、実になるとこのように上向きになり、別の種類の植物のように見えます。

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 キノコは実にたくさんありました。写真はその中の一つですが、名前もわかりません。

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 ルートの途中で通過する富士風穴。中には見事な氷柱があるそうで、はしごもついていましたが降りる気にはなれませんでした。なお、ホントに降りるのであれば、事前に届出が必要だそうです。

 車をデポしてあった登山口には13時45分に到着。標高差1300m余りを約19キロかけて下るゆるやかな道を、ちょうど6時間で走破しました。かなりの長距離で、最後はちょっと足の裏が痛かったですが、登頂にこだわらない静かな富士山、素晴らしい原生の森を歩けて満足しました。お中道はまあ、一回歩けばもういいですけど、精進湖口コースは紅葉の時期に、もう一度ゆっくり歩いてみたい。そんな機会を祈念しつつ、早くももう雲の中に姿を隠してしまった富士山に別れを告げました。
 この夏山シーズンは週末のたびに天気が崩れ、コジローが所属する紀峰山の会でも、計画していた多くの山行が中止のやむなきに至りました。その夏山最後のチャンスとなった8月末の週末、このままでは不完全燃焼に終わってしまいそうなので、天気はイマイチでしたが当初の予定通り、北八ヶ岳に行ってきました。嵐でさえなければ、雨の森もまた良しです。北八ヶ岳を選んだのは、行程中の高度差が最大500mほどなので、肺に病気を抱える自分でもゆっくり登ればなんとかいけそうと踏んでのこと。山行行程には標準的なコースタイムの2倍弱の時間をあてて、無理のない計画を組んだつもりでした。

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 8月29日の夜に和歌山を出て、麦草峠の駐車場に到着したのが翌30日(土)の2時前。車中で仮眠して5時40分に行動を開始。かつて厳冬の山スキーで訪れ、思い出も深い麦草ヒュッテを右に見ながら、写真の山道に入ってゆきます。

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 小雨の中、その雨ゆえに林床のコケが生き生きと生命力を増したように感じられる樹林帯の気持ち良い道を、ゆっくり歩むと、1時間20分で雨池に到着。山霧で展望は効きませんが、そのぶん幻想的で悪くない雰囲気です。

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 森の中はこんな感じ。場所によって生えている樹種の優劣は異なりますが、標高2000m超の典型的な亜高山帯植生で、コメツガ、シラビソ、オオシラビソ、それに自生のカラマツの針葉樹4種が優勢で、これに広葉樹のダケカンバが混じり、林縁部など受光条件の良いところではさらにナナカマドやミネカエデなどが分布するといった感じです。ともあれ、きれいな空気を胸いっぱいに呼吸しながら、しっとりとした静寂の森を歩くのは最高に良い気分です。

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 カラマツなどの針葉樹につくサルオガセ。暗い森の中でちょっと不気味な雰囲気を醸し出していますが、地衣類の一種で光合成もする立派な独立栄養生物であり、寄生生物ではありません。根がないため水分は大気中から直接補給しており、そのゆえこの場所のように湿った霧が発生しやすい場所を好みます。

 サルオガセの語源は下緒苔(サガリオゴケ)の転訛(元の言葉がなまって変化すること)ではないかと言われていますが、猿に関係があるという説もありはっきりしません。また、コジローは先輩の山男たちから、サルオガセを煎じて飲むと男の浮気と女のヤキモチに効くという話も複数回聞いているのですけれど、試したことがないので真実かどうかはわかりません。しかしよくよく考えてみると、ヤキモチはともかく「浮気に効く」って、いったいどんな機序で効くんですかねえ… 良心に効くのかそれとも…

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 9時に双子池ヒュッテに到着しました。歩きだしてからここまで人っ子一人出会うことなく、小屋の周辺も無人でしたが、小屋の中には人の気配がありました。有料のトイレが使用可です。

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 ヒュッテのすぐそばにある双子池の雄池。霧に包まれて厳かな雰囲気を漂わせていました。

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 こちらが雌池です。

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 双子池からは、大岳を経由して北横岳に向かうのですが、この道が…、いやあ、メッチャ厳しい!
 双子池から、標高差たかが400m弱、自分のペースでボチボチ登ればいずれ着くとかなり安易に考えて歩き出したのですが、コースに入ってみれば大岩の連続。足を大きく上げたり、両手をかけて這い上がったり周囲の木にすがったり、さらには岩から岩へ飛び移ったりして体重を引き上げてゆかねばならず、これが心肺に大きくこたえる。
 さらに雨はこのときが最高潮で足元が非常に滑りやすい。岩と岩の間には深い隙間が随所に口を開けていて、万一滑ってこの穴に落ちて頭部を強打したら、生命にも関わる怪我になりかねない。長年登山をやってきましたが、これほどの悪路は珍しい。アルペン的な風貌が際立つ南八ヶ岳に対し、北八ヶ岳は静寂と優しさで売っていますので、こんな試練が待ち構えているとは思いもしませんでした。いやあ甘かった! で、声を大にして言いたいのですが、このルートはヘルメット必携です。 ヘルメットを持たないのであれば、同じ北横岳に繋がる瓢箪池経由のコースを取った方がはるかに安全です。
 で、やっとの思いでたどり着いた大岳(2382m)頂上がこの写真。風雨で何が何やらわかりませんけど。(^_^;) ともあれ登頂は12時半、雨の中、3時間あまりの激闘でした。

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 さらに似たような道を登り続けて14時20分、ようやく今回の最高標高点、北横岳(2472.5m)に着きました。展望は効きませんが、雨は少し小降りになったようです。

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 山頂から下ると10分ほどで北横岳ヒュッテに到着、14時40分でした。一日の行動は8時間50分ですから、コースタイムの5割増といったところでしょうか。まあ、これが特発性間質性肺炎患者コジローの今の体調での限界ギリギリいっぱいの山行でしょうね。というか、限界をちょっと超えてたかもです。

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 翌朝、相変わらず展望は効きませんが、とりあえず雨は上がりましたので、6時40分に北横岳ヒュッテを出発。写真はこの日最初のピークである三ツ岳三峰から二峰を望んだところ。ご覧の通りの岩山です。
 前日、小屋に着いて宿帳にその日の行程を書き込んでいたら、若い主人が「大岳から来られたのですか、大変な所でちょうど雨が大当たりだったでしょうね」と労(ねぎら)ってくださったので、「明日は三ツ岳経由のつもりですが、道はどんな感じですか?」と尋ねました。これに対し主人、「まあ、大岳ほどではないですけどぉ…」「でもまあ、せっかく大岳を登られたのですから、ついでに三ツ岳も登っておかれたら」。
 はい、たしかに大岳ほどのことはありませんでしたが、やはりそこそこの険路で、しっかり息が切れました。

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 歩くうちに、だんだん天気は回復してきました。こうして、かすかに南八ヶ岳も… 中央の高い山が八ヶ岳の主峰赤岳、その右の雲がかかった高い山が阿弥陀岳です。ん~、もうちょっとスッキリ見えて欲しかったな。

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 この日の最高標高点、縞枯山(しまがれやま・2403m)には10時に到着。申し訳程度ですけど、青空も見えてきました。

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 さらに茶臼山(2384m)のピークを踏みます。この山頂は樹林に覆われて展望は皆無です。

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 中小場(2232m)から振り返ったところ。左が茶臼山、右が縞枯山です。
 そうそう、ここでオコジョに出会いました!
 これまでの長い山行生活で、シカやカモシカは数しれず見ていますし、クマにも三度、モモンガにも一度出会っていますが、オコジョは初めてでしたので大感激。中小場の標識を立ててある岩屑の隙間から顔を出して、こちらの様子を伺っていました。短い時間の上に動きが素早く、とても撮影はできませんでしたが、穴の中に引っ込んではまた別の穴から顔を出し、5~6回は対面したでしょうか。イタチの仲間で小さいながら獰猛な肉食獣とのことですが、その姿はメッチャ可愛い。各地でイメージキャラに好んで採用されるわけです。野生の実物を見られて本当に幸運でした。

 オコジョを見られた幸運に感謝しつつ斜面を下り続けて12時45分、麦草峠の駐車場に無事、帰還しました。

 雨にたたられはしましたが、それはまあ、当初から織り込み済み。雨の山も大好きですからよかったです。ただ、大岳の登りの厳しさが想定外で、あらためて自分の心肺の限界を思い知らされる体験をしました。 もう、これ以上に厳しい山はどうやら無理みたいです。残念ですが、まあ、こんな身体でもまだ歩ける野山や森はたくさんあると思いますので、無理をしない範囲でこれからも自然の中でつつましく遊ばせてもらおうと思います。次は来週末、8月初旬に雨で順延になった富士山です。