10月11日からの三連休、台風19号の接近に気をもみつつ、東北の名峰、栗駒山に登ってきました。栗駒山は宮城、岩手、秋田の3県境に位置する独立峰で、夏の花も冬の雪景色もいいのですが、なんといっても特筆すべきは紅葉で、その見事さは日本一とも言われています。

 計画を入れたのは8月はじめ、過去数年の紅葉情報を綿密に調べてベストな日程を選んだだけあって、2ヶ月も前なのに周囲の有名な温泉宿はすでにほとんど満室。ん~、みなさん流石というか、良くご存知なんですねえ。そうしたなかでも、八方手を尽くしてなんとか温泉宿を二泊分確保し、フライトを手配してずっと楽しみにしてきたのでした。

 そこへ、意地悪な台風接近です。帰路はフライトがキャンセルになる恐れが強かったのですけれど、ピーチアビエーションの基本プランではお客の都合でのキャンセルは一切返金なし。ということであればこれは、雨が降ろうがヤリが降ろうが行くっきゃないということで計画通り強行。メンバーのうち一人は、旅程の延長が不可能な仕事の都合で残念ながら断念したのですが、残る4人は11日関空7時40分発のフライトで仙台空港へ。そこでレンタカーの乗り継いでまず、こちらも紅葉の名所として知られる蔵王へと向かいました。

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 蔵王の通称「お釜」。御嶽山であの恐ろしい惨事があって、「蔵王も火山だったよなぁ…」と思っていたら、この前日、テレビで「蔵王の火山活動が活発化」とのニュース。お釜の水が一部変色し、山体も少し膨らんでいるとか… 台風に加えて噴火かぁ…でしたが、他に行くところもないのでこれも予定通り決行。行ってみれば、ニュースを気にしない人も多いようで結構な人だかり。とはいえ噴火情報のおかげでやや人が減ったおかげか、紅葉シーズンのピークにも関わらず、たいして待つこともなく頂上の駐車場に入ることができました。空は胸がすくような快晴でしたが風が強く、非常に冷えました。

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 コマクサ平付近から見た蔵王。すごい青空でした。

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 翌12日は、宿舎(ハイルザーム栗駒)を8時前に出て、車で登山口のイワカガミ平まで登ろうとすると、途中で通行規制。イワカガミ平の駐車場は早くも満車だそうで、そこからシャトルバスで登山口まで送ってもらいました。途中、登りの車窓から眺める紅葉は最高調。平年より紅葉の進行が早く、頂上付近の紅葉はもう終わってしまったそうですが、山麓がこれだけ凄ければ大満足です。 イワカガミ平らに着いて登山開始は8時半、この日は東栗駒コースを登って中央コースを下山するプランで、写真は東栗駒コースの入口です。

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 紅葉の主役はドウダンツツジ。黄葉の主役は登山道下部ではシラカバ、上部ではダケカンバでした。ドウダンツツジは紀州のそう高くない山でも見かけるのですが、結構寒いところにも適応しているのですね。もしかすると、高地にまれに見るというベニサラサドウダンかもしれませんが、花がない時期の識別は難しいそうです。 

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 森林限界を抜けると広々としたハイマツの高原に出ます。その緑の原を前景に、そして蒼空を背に、あくまで伸びやかでたおやかな栗駒山が美しい。栗駒山も火山で、噴火口と思われる窪地が登山道からいくつも見られました。

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 東栗駒山(1433.8m)。風もなく、のどかな雰囲気です。

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 つきました。11時15分。栗駒山(1626.5m)山頂です。
 山頂はものすごい人だかり。東栗駒コースは登山者も少なく、のんびりした雰囲気でしたが、山頂直前で観光客のような人も大量に歩く中央コースが合流し、さらに頂上では岩手秋田県側の須川コースから登ってくる登山者も相当数あって大変な混雑です。ま、今がピークだから仕方ないのですけれど、なんとか岩手県側に場所を見つけてそそくさと昼食をとり、大急ぎで中央コースを駆け下りて、13時過ぎにイワカガミ平に帰着。シャトルバスからレンタカーに乗り継いで下山しました。

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 下山してからさらに「帰りがけの駄賃」ということで世界谷地(せかいやち)へ。なんか大層な名前ですが、「世界」は「広い」を意味する程度のことらしい、谷地はもちろん湿地です。その世界谷地へは駐車場から約15分。紅葉の美しい広い道をたどります。ここでの紅葉の主役はヤマモミジでした。

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 世界谷地からはるかに栗駒山(右奥)を望む。中央やや左手前の山は大地森(1154.9m)です。

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 最終日の13日。朝3時半にふと目が覚めたのでチェックしてみると、予想通りフライトは台風のため欠航になっていました。こうなれば新幹線が動いているうちに陸路でできるだけ和歌山の近くまで帰るしかない。当初の計画ではこの日は岩手・秋田県境の須川温泉から再び栗駒山に登るはずだったのですが、それはもちろん中止、…だけど、宿(やびつ温泉瑞泉閣)の朝食を済ませなければ出られない。ということで、「朝飯前」に須川温泉までドライブしてみることにしました。

 その途上の紅葉の見事だったこと。台風の影響で昨日までの快晴は望むべくもなく、光線が不足していたのが残念ですが、実にあっぱれな紅葉でした。写真は須川温泉から秋田県側へ少し下ったところにある湿地で撮影。ダケカンバの倒影が印象的です。

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 さて、そろそろ帰ろうか…というときに出会ったのがこの情景。ん~、光線不足がほんと残念ですが、いまが盛りの紅葉と雲海に浮かぶ峰々。本当にうっとりと見とれてしまうような絶景で、すぐに宿に戻るのが惜しく、ここでコーヒーを沸かしてしっかりこの光景を目に焼き付け、これで満足して和歌山への遠くも難儀な帰路についたのでした。
 



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