前回の更新から2ヶ月近くが経過してしまいました。実はその最終更新のあと、全然効かない免疫抑制剤を別のものに変更するためひと月近くまた入院する羽目になり、なんとか8月も半ばを過ぎてようやく退院したものの病勢の進行とそれに伴う体力の低下は覆うべくもなく、このブログもこのまま閉じちゃおうかと思ったのですけれど、やっぱ腹に据え兼ねる事が起きると黙ってはいられず、まあ、こんなブログで怒ったところでなんの影響もないのですけれど、取り急ぎ一言だけ。

 放置していたブログを復活させるほどいったい何に腹が立ったかって、要するに昨日早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射をめぐる大騒ぎだ。昨29日5時57分に北朝鮮は平壌付近から弾道ミサイルを発射、自分はバカバカしいの早くから鳴らないように設定を変更しているが、これを受けてJアラートなる「国民保護」警報が携帯電話やスマホなどから一斉に鳴り響き北海道・東北・北関東など12道県の住民に避難を呼びかけた。肝心のミサイルはその頃には北海道南部の500km上の宇宙空間を通過しており、数分後には襟裳岬のはるか東方1200kmに着水したという。要するに、避難など呼びかけることに「国民保護」の必要上何の意味もなかったわけだ。

 北朝鮮がケシカランことは今更言うまでもない。ミサイルが着水した海域には操業中の漁船もあったし空域には飛行中の民間航空機もあった。誤射や空中分解による被害もあり得る。そんなリスクを抱えるミサイルを予告もなしにぶっ放す無法に対しては、厳しく抗議しなければならない。だが、それはそれだ。北朝鮮が日本への攻撃を意図したわけではないし、実際、客観的にみて「北海道・東北・北関東など12道県の住民」に何らかの危険があったとはまったく認められない。北海道南部を通過した地上500kmといえば人工衛星や宇宙ステーションより高い、1200kmというのは「襟裳岬東方」などという表現が適切かどうかってくらい日本の排他的経済水域からも遠く遠く離れた遥かな公海だ。北朝鮮は厄介な隣人ではあるが少なくとも今のところ狂人ではない。北朝鮮のミサイル発射はあくまで米国を交渉のテーブルに引っ張り出すための揺さぶりであって、間違っても交渉相手ですらない日本を攻撃して望まぬ余計な武力紛争を誘発するような愚を犯すはずはないのだ。

 てな程度のことは、我が日本国政府にはもちろんわかっていると思う。というか、わかっていてもらわないとハナシにならないのだが、にも関わらずJアラートを鳴らし、国民に避難を呼びかけるからには、まず薄汚い政権の意図を疑わねばならない。そこには危機感を煽り政権への求心力を回復させようという邪悪な狙いや、戦争ができるよう憲法を変えることへの与論動員に利用したい意図が見え見えだ。だが、朝、テレビをつけてみてびっくりした。全てのチャンネルが通常の放送内容を変更してミサイル一色、民放の一部はコマーシャルをカットし、NHKは売り物の朝ドラを吹っ飛ばした。でもって、当事者たる「北海道・東北・北関東など12道県の住民」が「怖い」「ミサイルが飛んできたらどうするか日頃から考えておかねば」「平和ボケではいられないと思った」などという愚にもつかないコメントを流し、ワタクシから見れば吹き出すしかないほど滑稽な「ミサイル避難訓練」の映像を流すのだ。そう、これらを繰り返し繰り返し延々と流すのだ。

 これは現代に再現された大本営発表にほかならない。前回の戦時に比べメディアは多様化したが、それらはほぼ例外なく一瞬で政府のスピーカーになることがわかった。一方、往時、バケツリレーで焼夷弾空襲に、また竹槍で戦車に対抗しようとした従順で非科学的で権威主義的で付和雷同する皇国臣民も健在で、バカバカしいことこの上ない「ミサイル退避訓練」に可哀想な子供たちを巻き込み大真面目で取り組んでいる。まともな批判精神などどこにもない。安倍晋三とそれを取り巻く極右どもはアホだが、この国に分厚く分布するそれ以上にアホな国民の同調圧力と軽薄なメディアのグロテスクな相聞歌が、きっとこの国を再び滅ぼすことになるだろう。もちろんそれを喜ぶわけではないが・・・





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