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 4月1日、火曜日、快晴。
 今日から新年度。昨日も書いたロクでもない消費税増税初日のいまいましい日でしたが、快晴の空にほぼ満開となった桜が映えこれぞニッポンの春という趣の一日で、事務所が面する浜の宮海岸も春爛漫。引き潮でそこここに砂地の海底が露出した「ひねもすのたり」の海が、惰眠を貪っているような風情で横たわっていました。

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  干潮の浜ノ宮海岸、背景は和歌浦から雑賀崎の海岸線、遠景にうっすらと淡路島

 さて、その海に少し関わりのある話題。オランダの国際司法裁判所は昨日、オーストラリア政府が「調査捕鯨の名を借りて違法な商業捕鯨を行っている」として日本を提訴していた問題でオーストラリア政府の訴えを全面的に認め、「科学目的とは言えない」と認定して南氷洋における日本の調査捕鯨を禁止する判決を下した。

 判事の圧倒的多数を反捕鯨国が占めているなどとして不公平感を訴えるメディアもあるが、ん~、常識に沿ったまともな判断ではないだろうか。調査に基づく研究論文も発表しているとはいうが、捕獲した鯨は一頭残らず屠殺して食肉処理し、「調査副産物」の鯨肉は公然と国内の流通に回されている。日本のメンツというか、もう少し上品に言って国策絡みで公金が投入されているため、「商業」として採算があっているかどうかは怪しいが、「調査捕鯨」が商業捕鯨全面禁止環境で鯨肉を確保するための苦肉の策に掲げたタテマエの看板であることくらい、オーストラリアに指摘されるまでもなく公然の秘密ではないか。

 朝日新聞はこの日本全面敗訴関連で、「鯨の町『食文化』失う」と見出しを打った記事を載せている。取り上げられているのは山口県下関市だが、同市では鯨を「市の動物」と定め、学校給食にも積極的にくじら料理を取り入れるなど普及啓発に努めてきたそうだ。また別のメディアは鯨肉の流通拠点として整備されつつあった途上でのこの結果に、経済効果の喪失を懸念する下関市長のコメントを掲載していた。

 ・・ってことは、要するに南氷洋の調査捕鯨は「食文化の維持」や「経済効果」に貢献するものと考慮され現にそうした役割を果たしていたということであって、オーストラリア政府が主張するごとく「調査」は商業捕鯨の隠れ蓑ってことを裏付けていることにならないか。さらに朝日は「冷凍肉の在庫がなくなれば(学校給食に)地元の新たな産物を提供することも検討しなければ」と影響を嘆く市教委のコメントを掲載している。

 下関市の関係者の皆さんには申し訳ないが、それでいいじゃん、と、コジローは思うのだな。なにも地球の裏側から世界のヒンシュクを浴びつつさして旨くもないクジラを冷凍にして運んでこなくても、下関なら地産池消で美味しくて新鮮な食材がいくらでも手に入るだろう。クジラが「市の動物」って、その感覚の方がどうかしてはいないか? ここは地元の食材と自然を見直したほうが、よほど教育的ではないかとコジローは思うのだ。

 鯨肉の消費量は減り続けており、調査捕鯨で許された頭数すら流通させることはできないで冷凍倉庫に在庫が積み上がっていた。そんな消費状況では、たとえ商業捕鯨が再開されたとしても高額の初期投資を要する捕鯨事業に参入する企業は皆無であり、現在操業している唯一の捕鯨会社すら実質的には国営企業だ。その会社が有する旧式の捕鯨母船は間もなく寿命が尽きるが、といって新船を建造する見込みもない。ということで日本政府は「食文化」を盾に虚勢を張っているが、船団を組んでの遠洋捕鯨に未来はなく、今回の判決にむしろほっとしているのが実情ではないのか。この辺りの事情は勝川俊雄氏のブログ「我々日本人が捕鯨について議論すべきこと」に詳しいので、一読をお勧めする。

 さてもそれはさておき「食文化」なあ~  鯨肉といえば、コジローのような世代の人間には確かに郷愁がなくもない。幼いころ、日本も我が家も貧しくて牛肉や豚肉は高嶺の花、焼肉といえばパサパサとした食感の鯨肉しかなかった。ま、本当に高級な鯨肉というのは食べたことがないから断言はしないが、当時は鯨肉しかなかったから旨いと思ったのであって、選択肢が豊富な今ならあえて鯨肉を選ぶとは思えない。それは食料ことに動物性タンパクが極端に不足したあの時代に、敗戦国が食することを許された代用食だったのであり、それを「食文化」と称するのが果たして正しい用語法なのか。食べたことがない若い世代であればなおさらで、鯨肉食を日本の食文化といわれてもシラけるだけだろう。

 先の判決も沿岸捕鯨まで禁止してはいないのだから、どうしても食べたい方には食べる道も残されている。ここは食文化などという荒唐無稽な看板をさっさと下ろし、おとなしく判決に従っておくべきところだろうと思う。

 


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