今日は東京都議選の投票日、和歌山県議選と同じレベルの地方選挙のひとつに過ぎないがこれまで常に時代の空気を敏感に反映してきたこともあり、その結果が国政に与える影響は大きい。安倍自公政権の腐敗した本質がようやく広く認知されようとしているだけに、今夜の開票結果が注目されるところだ。

 さて、その安倍自公政権の乱脈腐敗ぶり。最近報じられたのは豊田真由子衆院議員の秘書に対する暴言暴行、稲田朋美防衛大臣の「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」という都知事選での違憲違法応援演説、下村博文衆院議員・自民党東京都連会長が文科大臣当時に加計学園からヤミ献金を受け取ったとされる疑惑などなど、まさに底なしの様相だ。

 これらのエピソード、コトの重大さからランキングすればなんといっても自衛隊を私兵視していたとしか思えない稲田防衛相の発言がダントツに重大で、加計学園と安倍内閣の癒着を重ねて裏書した下村元文科相のヤミ献金疑惑がこれに続き、豊田議員の発言はこれらに比べれば被害が小さく、要するに個人の資質の問題に過ぎないと等閑視されそうなものだが、都議選への影響という点から見ればこれがもっとも大きいのではないかという。

 豊田議員の暴言は確かに衝撃的だ。自分自身、相当長い人生を生きてきたのだけれども、あのように聞いて胸が悪くなるほどの汚く下品な罵倒の言葉を、ヤクザ映画や漫画などのフィクションではなくリアル社会の言葉として聞いたのは初めての体験だった。「おぞましい」の一語に尽きる。報道によれば、子どもたちがこの罵声を真似ているそうだ。陰湿なイジメの語彙を増やしたかもしれない。まことに罪深いことだと思う。

 このエピソードが東京都の有権者の意識に最も大きな影響を与えているとすれば、それはこの暴言暴行が他のエピソードに比べはるかに分かりやすい「悪」であることと、あまりに一般社会の常識を超えるある種の凄さが要因だろう。稲田の嘘つきや馬鹿さ加減は周知のことだし、下村のヤミ献金と加計学園への優遇もありそうなことだ。これらは要するに常識の範囲内だが、豊田の暴言暴行は遥かにブッ飛んでいる。マスコミが繰り返しあの聞くに耐えない暴言のテープを流すのは、珍奇性で視聴率を稼ぐ業態としては当然のことだ。

 さて、豊田の暴言に貫かれている思想は自らを選ばれたエリートと考える一種の選民思想である。秘書などはエリートの使い捨ての道具、もう少しましに表現しても自らに奉仕する奴隷に過ぎない。極度に肥大化した自己像、他者認識の欠如ないしは蔑視、そこから派生する全体としての非人間性。だが、これは豊田個人の資質的欠陥によるものだろうか。もちろんそうではない。これこそが安倍政治なのだ。

 特権階級たる安倍とその取り巻きたちは超法規的存在であって、法を犯そうが行政を歪めて国家財政を食いものにしようが、さらにはあろうことか強姦に及ぼうが咎められることはなく、逆にそれを諌めようとする籠池氏や前川元次官は御用メディアや検察権力を動員して攻撃する。検察警察権力が政府の道具である実態を見慣れている稲田が、その粗雑な脳みそで自衛隊を自民党の道具と認識することに何の不思議もないし、下村が身内の加計学園に便宜を図る見返りにカネを貰うのになんら痛痒を感じないのも当たり前のことになる。まして、秘書の人格など何ほどのものか。

 要するに、豊田真由子の暴言暴力は、いわば安倍政治の本質を誰の目にも見える形でわかりやすく示したエピソードなのだ。東京都の有権者がこれに最も敏感に反応したとすれば、それは有権者の感性の健全さを示したものと言えるだろう。一方、小池都知事と都民ファーストなる会派が自民党の別働隊に過ぎないことを見破るのは遥かにむつかしい。ともあれ、今夜の結果を待ちたい。




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