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 昨日10日、総選挙が公示された。小池百合子は自らの人品のいやしさが招いた希望の党の失速を見て出馬せず、その日和見ぶりをあらためて示した。また、有権者のヤジに怯える安倍晋三は福島県の田んぼで、厳重警戒のなか動員した身内の自民党員だけを相手に第一声を発し、その臆病ぶりをまたもさらけ出した。森友・加計問題の追求が怖くて国会を解散し、やじが怖くて遊説日程を隠す卑劣な腰抜けが「国難」などとよく言ったものである。安倍を批判する市民たちが掲げた「国難はお前だ」というパネルにも、「ステルス首相」の遊説先が判明したことを知らせる「A(安倍)アラート」というツイートのハッシュタグにも吹いた。有権者はお前たちが期待するほどバカばかりではない。

 さて、生臭い話はこのくらいにして、以下は『紀峰山の会』の機関誌『紀峰の仲間』の秋号に掲載した巻末コラム。今回はギンリョウソウについて書きました。



植物百話
           ギンリョウソウと世紀の大発見

 山を良く歩く方であれば、ギンリョウソウ(銀竜草)という一風変わった植物を一度は見たことがあるでしょう。4月半ばから6月ごろにかけ薄暗い森を歩いていると、しっとりと湿った林床の枯葉に紛れて、透き通るように白い15cmほどの茎の上に下向きの壺型の花をつけた群生に出会うことがあります。「銀竜」の名はウロコが覆うように見える茎を竜の首に、また花を頭部に見立てたものですが、咲く環境の暗さに加え不気味な雰囲気もあることから、ユウレイタケとかシビトバナなどの別名で呼ばれることもあります。(下=自作イラスト参照)

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 さて、ここで「植物」とあっさり書きましたが、我々がふつう植物というのは葉で光合成を行い自活できる独立栄養生物のことです。しかし、ギンリョウソウの葉は退化して茎のウロコになり葉緑素もありません。実は植物の定義というのは結構むつかしい。深入りするとこのコラムの紙幅では帰ってこられなくなりますのでほどほどにしておきますが、このギンリョウソウが植物であるのならば、少なくとも光合成とか葉緑素を持つとかは、「植物」に必須の要素ではないことになります。では、光合成をしない植物ギンリョウソウはどのようにして栄養を得て生きているのでしょう。

 葉緑素を持たない植物はギンリョウソウの他にもランの仲間など結構あるのですが、これらの植物グループはかつて「腐生植物」と呼ばれ、動植物の遺骸やこれが分解した腐食から栄養を得ていると考えられていました。しかしこれは誤りで、実は菌類から栄養を得ていたのです。そこでいまは、植物でありながら動物(従属栄養生物)などと同様、他に栄養を依存することから、このグループを「従属栄養植物」と呼んでいます。

 菌類とは簡単に言えばキノコの仲間です。前回、このコラムで、マツが荒地でも生き延びられるのは、長い歴史を通じ多くの菌類の助けを得ることに成功したからだと書きました。このようにマツは別格なのですが、マツに限らず植物の大半は菌類と共生関係にあり、光合成能力を持たない菌類に光合成で作った栄養を与える代わり、菌が広く張り巡らせた菌糸で土壌中からかき集めた養分や水分を得ています。病原菌に対するケアもしてもらっているようで、まあ、持ちつ持たれつの関係なのですね。

 余談ですが、食物連鎖などの一知半解の浅はかな理解をもとに「弱肉強食が野生の掟」などという人がいますがこれは皮相に過ぎます。食い食われる関係があることは事実ですが、自然のバランスは食う側が食う量に比べ食われる側が食われない量が圧倒的に多いことで維持されていますし、また多様な生命が「持ちつ持たれつ」相互に依存し助け合う共生ネットワークの営みは、食物連鎖が演じられるケースの万倍の頻度と広がりと深さで自然界を支えています。白人至上主義など選民思想の多くが「弱肉強食・優勝劣敗の自然の進化法則を社会に適用」するとする社会ダーウィニズムの優生思想を信奉しますが笑止千万、自然の本当の摂理に無知な誤りは明白です。しかしヒトラーの犯罪、トランプの愚劣、高須クリニックや「みぞゆう」麻生その他レイシストどもお調子バカの放言、反中・嫌韓を煽るメディアの流行、さらにいえば「ニッポン凄い日本エライ」と選民意識をくすぐる低俗テレビをヘラヘラ喜んで観ている・・なんて最近の空気、ちょっと問題ではないかとも思います。

 さて、話を戻して、ギンリョウソウはベニタケ菌という日本の山野ではありふれた菌類から栄養をもらっているのですが、前述のように菌類は植物から栄養をもらっていますので、本当はベニタケ菌を介して間接的にそのベニタケ菌と共生する植物から栄養を得ていることになります。で、その代わりベニタケ菌などに何を返しているのかというと、これが今のところはわからない。もちろん、一方的にもらうばかりで何も返さない「寄生」という関係もありなのですが、これについてはなお今後の研究課題ということだそうです。

 といったギンリョウソウについてこの7月、驚くべき新発見が報告されました。その種子を散布してくれる共生生物が見つかったのです。我々が見かけるギンリョウソウは花ですから当然、あの壷型の花の中に雄しべと雌しべがあって受粉もすれば結実もします。受粉はマルハナバチが手伝っているようですが、これまで種子散布をどうしているのかは不明でした。これを発見したのが熊本大学の杉浦直人准教授。2年間計1259時間にわたりギンリョウソウを見つめ続けて、その種子散布を助けているのがなんとゴキブリ(正確にはモリチャバネゴキブリ)であることを突き止めたのでした。

 昆虫は受粉では大きな役割を果たしますが、生き物による種子散布では主役は鳥類、次いで哺乳類です。このコラムでも取り上げたカタクリやスミレの種を運ぶアリを例外として、昆虫が種子散布に協力する事が確認されたのは世界広しといえどもこれまで2例のみでほぼ皆無だったのです。ですから3例目というだけでも大発見なのですが、飛翔する昆虫としては世界初とのこと。まさに世紀の大発見ではありませんか。

 ゴキブリは人間の迫害に追われる一方でギンリョウソウのかけがえのない共生者として、果実を頂く代わりに遠くまで飛翔して糞と一緒に種子を散布し、人知れずか弱い生命が生き延びるお手伝いをしていたのですね。といったゴキブリのけなげな働きぶりを思えば、あの女性たちの冷酷な白眼視と問答無用の金切り声つき殺戮行為、多少とも手心を加える気になってはもらえないものかと思うのです。 が、ん~、ならないだろうね。やっぱり。


 最後に最近描いた絵です。タイトルは『翡翠』(かわせみ)、「渓流の宝石」と呼ばれる美しい野鳥です。 今回はウオーターフォードのF8号の用紙に不透明水彩で描きました。

171007 翡翠 (2)サイズ





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