上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  4月24日、森林インストラクターの受験勉強で、付け焼き刃ながら植物について多少は知識も増えたので、近くの植物を片端から同定し、デジカメに撮ってこのブログに掲載していこうと思う。まずは先日このブログで紹介したお隣の分譲住宅造成地から。

DSCF0444.jpg

 これは、今年伐採の手を入れて間もない造成地。放置するとすぐに植物が繁茂するので、ときどき年配のおじさんがホンダHR-Vに乗ってやってきて、チェーンソーの音もけたたましく立ち木や草をきれいに刈り取ってくれる。話をしてみると、雇われて賃仕事で…というのではなく、ある会社の持ち物である宅地を、リタイヤしたその会社の役員さんが暇つぶしに運動も兼ねてのんびり楽しんでいるといった風情だ。ついでながら、おじさんの作業用の車種まで判るのはコジローが前に乗っていた車と同じだからで、特に車に詳しいわけではない。

DSCF0445.jpg

 一方、こちらは去年オジサンがきれいに伐採した造成地だ。隣同士だがたった一年でここまで繁茂する。「後は野となれ山となれ」などと無責任な仕業を指していうけれど、植林などしなくても伐採後が勝手に野原や山林になるって、日本は本当に気候と土壌に恵まれた風土だと思う。ともあれ、足の踏み場もない状態だ。

 自然現象や人為による森林など生態系に対する物理的な破壊を「撹乱」という。また、生態系が時間の経過とともに新たな段階に発展してゆくことを「遷移」といい、噴火後の溶岩台地や新島など生態系の痕跡がないところから始まる遷移を「一次遷移」と、また前の生態系の痕跡が土壌中の種子などの形で遺存しているところで始まる遷移を「二次遷移」という。この造成地のように、人為的な伐採という撹乱の後で生態系が再び回復に向かって進み始めるのは二次遷移の典型的な形だ。せっかくだから、この小自然の遷移の過程を観察してみたい。

DSCF0461.jpg

 今年伐採したキリの株、で、これぞ「キリ株」・・・って、いうのかどうか知らないけれど、ともあれここまで伐っても、去年伐った株からしぶとく復活してくるのが次の写真。
 
DSCF0452.jpg

 このように、撹乱後にいち早く進出してくる木本を「先駆樹種」(パイオニアプランツ)という。明るいところで良く育つ「陽樹」で貧栄養の土壌でも成育でき、しかも他の植物との競争に打ち勝って急速に伸張(背を伸ばす)するのが共通する特徴だ。キリも「風散布」といって翼を持つ種子を広範にばらまいて分布を広げる先駆樹種のひとつで、「娘が産まれてから植えたキリで嫁入り道具の和箪笥が出来る」といわれるほど成長が早い。しかも、この写真のように種からではなく切り株から新しい枝を伸ばすのだからなおさら早い。ちなみに、このように切り株から新しい枝を伸ばすことを「萌芽更新」という。

DSCF0458.jpg

 萌芽更新、近づいてとくと視れば、一種グロテスクなほどだ。生命力のすごさをひしひしと感じさせられる。ついでながら、右後方に見えているのがコジロー家の車庫と玄関前の石畳です。

DSCF0462.jpg

 萌芽更新したキリの新しい葉。表面に毛が密生しており、ザラザラとした質感がある。雑草かと思っていたらみるみるうちに背が伸びて巨大な葉をつけ、「これは何だ?」とご近所の話題になるのは、実生(みしょう=種から生えること)で産まれたばかりのキリの幼樹であることが多い。この写真の葉は萌芽更新のため、それほどの大きさはない。縦の長さが20cmくらいだ。

DSCF0410.jpg

 擁壁の隙間からも先駆樹種が次々に顔を出している。これらもほとんどは、去年植木ばさみでバッサリ伐った株からの萌芽更新である。伐っても伐っても出てきて「賽の河原の石積み」って感じがしなくもないが、だからといって成長するのを放置していたら、やがて擁壁は壊されてしまうだろう。植物の生命力はかくもすさまじい。

DSCF0420.jpg

 そのなかのひとつがこのアカメガシワ。枝先端の新芽が鮮紅色になるのが何よりの識別ポイントで、この季節なら他の樹種と間違うことはない。万葉時代には久木(ヒサギ)といったらしい。ゴサイハともサイモリバとも呼ばれたというが、葉に食物を載せて食べたり、神様への供え物の下に敷いたとのことから、これは恐らく「御菜葉」「菜盛葉」と書くのだろうと思う(あくまでコジローの推理)。・・・で、ホントに敷いたら一体どんな味がするんだろう。葉はふんだんにあるから、今夜にでも試してみよう。

DSCF0439.jpg

 そのアカメガシワの葉。赤い新芽が付き、葉がカシワの葉に似るからアカメガシワと名付けられたのだろうが、カシワの葉は柏餅でご存じの通り葉の縁(ふち)が波打つ形で、この姿とはかなり違う。しかも、分裂葉(縁に切れ込みがある葉、モミジが典型的)である点は共通するが、実を言うとこの写真に撮った分裂葉は探さなければ見つからないほど少なくて、ほとんどが不分裂葉だった。幼樹のときは分裂葉だったものが、成熟するにつれて不分裂の葉をつけるようになる例は、カクレミノなど他の樹種でも結構多いから、この萌芽更新個体もそうなのかもしれない。植物だって年の功を重ねればカドが取れてくるってわけだ。人間たるワタクシもそうありたい・・が、いつまでも邪念と煩悩が…(^_^;)

DSCF0423.jpg

 こちらはクサギ。名前の由来は葉をちぎると臭い木だからで、なんともわかりやすいネーミングだが、もうちょっとマシな名前をつけてやればいいのにぃ。そういえば、イヌノフグリとかヘクソカズラとか、気の毒な名前の植物は結構ある。ともあれ、そこで実際にちぎってみると、なんというか、ピーナッツの発酵しかけ・・って、そんなの実際に体験したことは無いんだけれど、まあ、そんな感じの臭いがする。特に顔を背けるほどの悪臭ではないと思うけどなあ…

DSCF0440.jpg

 これがそのクサギの若葉、長さが15cmくらい。

DSCF0443.jpg

 これは、恐らくヤマハゼ。「恐らく」というのは、高いところにあって今朝は葉が採取できなかったので、確実に同定できないためだ。間違うとすれば、大昔にロウを採取する目的で中国から移入されて野生化したハゼノキだが、下から見上げた葉の形からどちらかというとヤマハゼじゃないかと・・ 葉に毛があればヤマハゼと断定できるので、近いうちに脚立で登って採取しようと思っている。

 ついでだけれど、このように小さな葉が葉柄の両側に並んで鳥の羽のようになっているものを「羽状複葉」といい、実はその羽全体が1枚の葉になる。落葉するときはこの羽状複葉単位で落ちるからだ。なお、羽状複葉を構成する1枚1枚の小さな葉は「小葉」という。先端に1枚の小葉がつくものを「奇数羽状複葉」、つかないものを「偶数羽状複葉」というが、これはもちろん小葉の数からのネーミング。羽状複葉はウルシ科やマメ科の植物などで多く見られる。
関連記事
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://yamatomori.blog.fc2.com/tb.php/33-6c1f46db
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。