3月31日、月曜日、晴れ。今日は年度末、いずこも同じだろうと思うが、わが「わかやま環境ネットワーク=和歌山県地球温暖化防止活動推進センター」も毎年、3月に入ると国や県から受託した事業の精算業務で大わらわ。不肖コジロー、お金が天敵という苦手意識のなせるところか会計実務はさっぱりダメなので、なるべく金銭勘定に関わる業務はそっと避けて通っているのだけれど、そのおかげで精算一切を押し付けられたスタッフたちは大変だ。それも、今日で一応は一区切りつく。みなさん、ホント、ご苦労様でした。

 さて、明日の新年度スタートと同時に消費税が5%から8%に増税される。テレビをはじめメディアは「駆け込み需要フィーバー」や交通運賃や定期代などどの瞬間から8%に切り替わるかを面白おかしく取り上げているが、例によって「なぜいま消費税値上げなのか」「増税分は何に使われるのか」「増税の前提とされた景気回復は本物か」といった、今回の増税の本質に関わる部分は素通りだ。

 消費税導入の目的は、3%で導入された時も、5%に増税された時も、さらに今回の8%への増税でも、一貫して安定した社会保障の財源づくりが標榜されてきた。だが、消費税増税の効果でこの国の福祉や社会保障が豊かになったことは一度もない。ざっくり言えば、消費税による税収はそっくり法人税減税の財源となって消えてしまったからだ。

 消費税の導入は1989年4月の竹下内閣時代に遡る。手元のデータによればそれから22年後の2011年までの時点で消費税による税収の総額は224兆円、かたや同期間の法人3税の減税額の総額は208兆円になる。差額は16兆円だが、これも高額所得者への減税や株式の売買益つまりキャピタルゲイン税の半額への大盤振る舞い減税で吹っ飛んでおり、税収は差し引きではマイナス。つまり消費税は貧乏人のつましい所得を大企業や金持ちに移転し、国家財政の借金を増やす機能を果たしたに過ぎない。

 そうした過去を引き継いでの今回の増税だ。例によってというべきかまたぞろ社会福祉目的が謳われてはいるが、増税分5兆円のうち8割以上を占める「年金国庫負担分2分の1」と「既存の社会保障の安定財源確保」はすでに実施している施策の財源の変更に過ぎない。法人税であろうが消費税であろうがカネに色は付いていないのであって、これまでも国庫から支出してきたカネを増税した消費税に代えるだけで、支出額自体は一銭も増額するわけではない。なんのことはない、社会福祉への支出額はそのまま、増えた分の税収は国土強靭化の美名に隠れた土建公共事業と安倍リスクで高まる緊張に対処する軍事費、さらには将来の法人税減税の財源に回されるだけなのだ。

 それどころか、新年度からは医療機関における患者負担増や介護保険負担の増額、年金支給額の切り下げなど、社会福祉関係を中心に家計への負担増が目白押し。これらのどこをどう解釈すれば、「社会保障と税の一体改革」などという戯言(たわごと)がほざけるのか、ぜひご教示願いたいものだ。

 今夜、なんとか委託事業の精算業務を仕上げたスタッフたちと連れ立ってささやかな花見と酒宴に向かう途上、みかけるガソリンスタンドはいずれも駆け込み給油のマイカーが列をなしていた。そんなささやかな庶民の抵抗を尻目に、独占資本の利益を代弁する安倍内閣国家権力は更に収奪の度を強めていくことだろう。マスコミは好景気を煽るがそれは円安の特需に恵まれた輸出大企業だけの話で、勤労者の実質所得はいまもジリジリ減り続けている。だが、GDPの6割はこうした貧しい国民たちが主役の消費支出が支えている。そこにこれ以上の打撃を加えればどんな事態が招来されるか、経済学者でなくても分かりそうなものだ。

 駆け込み需要の熱狂の後にくる深刻な経済危機。明日、消費税増税と同時にその不気味な影がこの国を覆い尽くしてゆく予感が強い。


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